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アルルの思い出

フランスでは7月14日は革命記念日(パリ祭)という祝日。今年のその日私はアルルにいた。
パリ祭ではエッフェル塔に大きな花火が上がることが有名だが、アルルでもその日は花火が打ち上げらる。ホテルのマダムにそう聞いて、ようやく暗くなった夜10時少し前にホテルのすぐ近くのローヌ河の土手に上がってみた。

土手の上にはすでにたくさんの人が集まっていた。ほとんどが家族連れやカップルばかり。ひとりで居るのは私だけ。アジア人の姿も他には見えない。
フランス語で賑やかにおしゃべりしている人々の中にひとりポツンといるアジア人は少々浮いていた。「このひとなに?」と思われているのではないかと、なんだか居心地悪くなってきた。そもそも花火大会はひとりで来るものではないかも。

後で考えてみると、フランス人も話をしてみれば結構みな普通にフレンドリーなので、英語でいいからなにか話しかけてみたら、多少の会話も弾んだかもしれない。
しかし、その時はそんなことは思いいたらず、気まずい気分のまま待つこと40分。やっと花火は始まった。

日本のものに比べたら、どうせ大したこないだろうとたかをくくっていたが、意外とバリエーションがあった。なにより、私の立っていた場所の真向かいの河の対岸から打ち上げられていたので、頭上に降りかかるように上がった花火はなかなかの迫力だった。
回りからは"Oh la la!"という声が上がる。「たまや〜」ではなく、"Oh la la!"だ。おそらくこんな風に花火をみることは、もう二度とないだろう、などとシミジミした。

三脚を持っていなかったので花火の写真は撮らなかった。でも、それでよかったかもしれない。
きらびやかな時間は15分くらいであっけなく終わってしまった。けれど、そのすべてをしっかりと眼で見ていたので、1ヶ月経った今も記憶の中に鮮明に残っている。

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by cactusflower | 2014-08-16 23:04 |