カテゴリ:映画( 8 )

近頃CS/BSの映画チャンネルで松田優作の映画をよくやっているのは命日が近いからか。
今年は没後24年、二十五回忌にあたるらしい。

10代のころ、この人に夢中だった。
TVドラマなら「大都会Part II」「探偵物語」、映画なら「最も危険な遊戯」「家族ゲーム」が好きだ。

彼の訃報を聞いたとき、まだ観ていなかった「ブラックレイン」を観に映画館に急いだ。
リドリー・スコットが監督したアメリカ映画。初のハリウッド進出作が最後の出演作となってしまった。
マイケル・ダグラスを相手に日本のヤクザを演じた松田優作は、ギラギラしていて異様な雰囲気を漂わせていた。

あの時、上映中ずっとおしゃべりしていた頭の悪そうな(失礼)カップルに「おめーら、うるせーんだよ!!」とすごんで帰って行った男性がいたっけ。
見た目はとても普通の人に見えたが、「あ~、この人も入っちゃったな~」と、なんだか嬉しかったことを覚えている。

さて、近頃は、彼のふたりの息子たちがいい役者さんになって大活躍だ。
そんな彼らを見ていると、長く生きているのも悪くないな、と思ったりする。

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by cactusflower | 2013-11-04 00:38 | 映画
最近私が注目する俳優は、ハセヒロこと長谷川博己だ。
大河ドラマ「八重の桜」で主人公八重の最初の夫を演じた人。
八重とのラブシーンぽい場面もよかったが、私が一番好きなのは鶴ヶ城開城の時の「女がいるぞ!」のシーン。
愛する妻を守るために苦渋の選択をする。実に深みのある演技だったと思う。

そんなハセヒロくんが出演するという映画が封切られたので見に行った。
園子温監督作品 『地獄でなぜ悪い

園子温は最近とても評価されている監督らしいが、過去作品はエログロ強そうで見るのがしんどそうだな~、という印象。しかし今回はコメディだというので見てみたら、なかなか面白かった。

ハセヒロが演じるのは、園監督が自身の若いころを投影しているという自主制作映画の監督・平田。
高校時代、友達と8ミリフィルムで映画を撮り始め、そして「いつの日か、俺は後世に残る1本を撮る映画監督になる!」と誓った。しかし、10年たっても一本の映画も撮れず、ただただ「いつか必ず来る日」を夢見ている、困った男。
「もう30だからこんなこと止めたい」という仲間を、「お前は夢を捨てるのか!」とか青臭いこと言って罵倒する。
まったくウザくて、迷惑なキャラクターだ。

そんな平田役を、ハセヒロは実に楽しそうに演じている(ように見えた)。
きっと彼自身も、「妄想する映画少年」のまま大人になってしまった人だからなんだろう。

さて、平田はひょんなことから映画を撮るチャンスを得る。
それはたまたま降ってわいた偶然からで、その後状況はとんでもない方向へと向かっていく。
しかしそんなことは意に介さない。映画を撮れるということだけに狂喜する平田。
嬉々として撮り、叫び、走る!

ただひたすらに夢に向かって疾走する姿がすがすがしく、痛ましい。

でも、映画の最後にはこう言ってやりたくなった。

いい映画とれてよかったね、平田。
そして、この役を演じられてよかったね、ハセヒロ!
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by cactusflower | 2013-10-09 22:03 | 映画
映画「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」を観た。
前作「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」にとても感激したのは2010年の事
その続編は、アートの見方、コレクターという生き方、そして人生のしまい方、などなど考えさせられることがいろいろあった。

中でも印象に残っていること。

前作では、郵便局員と図書館司書という「普通の人」がアートコレクターになった! という驚きが強かったように思う。
しかし、今回の映画を観てわかったこと。それは、ハーブはアートを見分ける優れた審美眼を持った人であったこと、そしてドロシーは優れたマネジメント能力を発揮して、それを支えてきたこと。
彼らは決して「普通の人」ではなく、とても優れたコレクターだったということだ。

この映画によると、アメリカでは地方の小さな町の美術館は、予算が十分に得られず収蔵品を増やすことにも苦労しているらしい。そんな美術館50か所に、彼らのコレクションを分散してを寄贈するというこのプロジェクトは、社会的にはとても意味のあることなのだろう。

しかし、長年交流のあったアーティストのひとり、リチャード・タトルは最後までそれに反対していたらしい。
その言葉が泣かせる。

コレクションの根底にあるのは、アートに全力を注ぐということ。彼らのコレクションは全体で一つの作品だ。それをばらばらにするのは、レンブラントの作品を50個に切り刻んでばらまくのと同じことだ。


リチャード・タトル 気になる人物だ。
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by cactusflower | 2013-04-29 23:54 | 映画
ゲイリー・オールドマンという俳優の存在が気になるようになったのは、「蜘蛛女(原題:Romeo is bleeding)」という1993年の映画をCSで見てからだ。
ゲイリーが演じるのは、マフィアから平気で賄賂をもらっている警察官。美しい妻と暮らしながら若い愛人を囲っている。その上、護送を命じられた女殺し屋の誘惑にあっさりはまってしまい、散々な目にあわされて堕ちていく。
もうとことんダメダメで情けない主人公なのだが、彼が演じると何とも言えぬ味があり、そのダメっぷりの素敵さに感動を覚えるほどだった。

こう書いても、この映画を観た人はほとんどいないと思うので、もう少し分かりやすいところで言うと、リュック・ベッソンの「レオン」でジャン・レノとナタリー・ポートマンを執拗に追い詰める悪徳警官役。「蜘蛛女」はダメダメな奴だったけど、こっちはかなり「悪」な感じで迫力あったっけ。

そんなこんなでずっと気になる存在だったゲイリーが主役を演じ、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされたらしい、ということで、新作「裏切りのサーカス(原題:Tinker Tailor Soldier Spy)」を見に行った。

1970年代、東西冷戦下のイギリスの諜報部を舞台にしたスパイ映画。といってもミッション・インポッシブルみたいな派手派手ではない。ジョン・ル・カレの小説が原作の、ストイックで渋い映画で素敵だった。

なんだか「一度見ただけでは分からない」を宣伝文句にしているらしいけど、確かに二重スパイの話だから人間関係が複雑でよくわからないところも多い。それでも、いかにも70年代のロンドンらしいどんよりとした雰囲気(といっても実際に見たわけではないが)、俳優たちの抑えた演技の中ににじむ緊張感、とにかく雰囲気がすごく良くて、分からなくてもずっとその中に浸っていたい感じ。

石畳の街、古くておしゃれな車(シトロエンらしい)、諜報部の倉庫みたいなオフィス、あまり光の入らないホテルの部屋、男たちか着ているスリーピースのスーツ。どれもこれもカッコイイ。(ポール・スミスがデザインのアドバイザーだとか)
そして、男と女のロマンスよりも、男同士の友情を越えた関係を匂わせて、意味深なムード。

確かに何度見ても飽きない要素がいろいろ含まれていそう。もう一度見たらまた新しい発見があるかも。

余談だけれど、ゲイリー・オールドマンは写真をとるらしい。少し前まで、丸の内のPaul Smithで彼の撮った写真を展示していたとか。もう少し早く知っていればな~
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by cactusflower | 2012-05-19 23:36 | 映画
週末に、映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(The Iron Lady)」を観た。
イギリスで女性として初めて首相になったマーガレット・サッチャーの人生を、老いた現在も含めて描いた人間ドラマ。
なかなか見ごたえのある映画だった。オスカーをとっただけにメリル・ストリープの演技はすごい!

ところで、映画の中にちょっと気になるセリフ(フレーズ)があったので調べてみた。

“Watch your thoughts, for they become words.
Watch your words, for they become actions.
Watch your actions, for they become habits.
Watch your habits, for they become character.
Watch your character, for it becomes your destiny.”

これはこの映画のオリジナルではなく、昔からあちこちで引用される有名なフレーズらしい。
もともとの出典は諸説あってはっきりしないようだが。

映画の中では、年老いた(そして認知症と診断されている)サッチャーが、かかりつけ医の定期診断を受ける場面で、老いてもなお毅然として自分の理念を語る、という彼女らしさを象徴するシーンとして使われている。

この前に、「近頃は誰しも感じる(feel)という言葉を使うけれど、大切なのは考えること(think)なのよ」というようなことを彼女が言い、そしてこのフレーズを引用するのだ。

feelより thinkを重んじる。
うーむ、それっていかにも西洋的だなあ、などと思っていたら、
そうそう、こんなことを言っている人がいたじゃない! (笑)


東洋が誇る永遠のヒーロー、ブルース・リーの有名なセリフ。

"Don't think. Feel!"  


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by cactusflower | 2012-04-19 22:35 | 映画
映画「ハーブ&ドロシー」を観てきた。今日は初日。
初日に映画を観るなんてことは、私には珍しいのだけれども、ある方のブログで紹介されていたのを見て以来、気になっていて。

で、期待した以上に面白い映画だった。

ハーブ&ドロシー夫妻の、ある意味ユニークな人生。
1960年代以降に活躍した現代アートの作家たちをさりげなく紹介。
そして、物語の舞台がニューヨーク・マンハッタンというのが、NYC好き(というか映像で見るNYCが大好き)な私のツボにはまった。

今日は初日ということで、監督・プロデューサーの佐々木芽生さんの舞台挨拶があった。
「暗く後ろ向きなメッセージばかりの昨今だけれど、一つのことに情熱を注ぐことの素晴らしさを、ひとりでも多くの人に感じてほしい。」

佐々木さんはニューヨークでこの映画を制作し、日本で上映するに当たり配給会社をいくつか回ったけれど、「現代アートは日本では人気がない。そんな映画は興行的に成功するわけがない。」と門前払いをくらうところばかりだったとか。

それでも上映にこぎつけて、「今日初日にこんな大勢の方々に見に来ていただいて、とても嬉しいです」と、かなり感激されていた様子。それを見て、こちらまで胸が熱くなってしまった。

確かに現代アートはとっつきにくいけど、この映画はとてもわかりやすく楽しめる。オススメです。

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写真は、去年訪ねたニューヨーク・マンハッタン、ワシントンスクエアのあたりの教会。
映画の中で語られていた、夫妻が昔アートのクラスをとっていたというNYUは、確かこの近くだったはず。
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by cactusflower | 2010-11-14 00:23 | 映画
ジェフ・ブリッジスがアカデミー賞主演男優賞をとった「クレイジーハート」を観た。

ジェフ・ブリッジスといえば、私の中では「ダメ男をやらせたら天下一品!」の俳優。
ファビュラス・ベイカー・ボーイズ、フィッシャー・キング、ビッグ・リボウスキ、ドア・イン・ザ・フロアー、こうやって観た映画を並べてみるとどれもこれもダメっぷりのかっこいい映画だった。

で、今回のこの映画。ダメ男も老境にさしかかり、悲壮感すらただよう磨きのかかったダメっぷり。
「アカデミーとれてよかったね」の大熱演。
しかし、あまりに地味で堅実なストーリー展開がちょっとさみしかったなぁ。
エンディングも希望を見せながらも、少々ほろ苦い。

その辺が「大人の映画」なのかもしれないけれど。
この映画に共感するには自分はまだ若すぎると思いたい。

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映画館に飾ってあった、ジェフのサイン入りのギター。
映画で使われたのと同じモデルということ?

そうそう、ニューメキシコやテキサスの「アメリカらしい」風景と音楽はよかった。
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by cactusflower | 2010-06-13 23:50 | 映画
私は映画好きで、結構たくさん見ているほうだと思う。
けれど、最近はレンタルDVDやCS映画チャンネルで見ることが多くて、なかなか映画館に行かなくなってしまった。
この週末は、久しぶりに映画館へ行って「ジュリー&ジュリア」を見た。

1960年代にアメリカで人気のあった料理研究家、ジュリア・チャイルドと、彼女のことをブログに書いて話題となったジュリー・パウエルという実在のふたりの女性の、成功前夜の物語。
たいして期待せずに行ったのだが、これがなかなかいい映画だった。

ストレスが溜まるばかりの仕事に忙殺され、なんとかそこから抜け出したいとあがくジュリーと、外交官夫人として何不自由ない生活を送りながらも、何か生きがいを見つけたいと奮闘するジュリア。
このふたりに共感する人は多いのでは?
私も妙にはまってしまい、何気ないシーンにもなんだか胸が詰まって、目はうるうる。

笑えて、ホロッとして、最後は明るく前向きな気持ちになれる。

ジュリア・チャイルドはアメリカ人なら誰しも知っているような、有名人だったらしい。
演じているのはメリル・ストリープ。おそらくかなり似せて演じているのだろうが、
なかなかお茶目で存在感のあるキャラだ。

初日に見たら、ル・クルーゼの鍋のミニチュアマグネットのお土産つきだった。
そういえば、映画に出てくる鍋もル・クルーゼだったような。。。
いいな~、欲しいな~、と、たいして料理をしないくせに、物欲だけは募るのであった。

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by cactusflower | 2009-12-14 23:59 | 映画