カテゴリ:展覧会( 6 )

横浜そごう美術館に「四谷シモンSIMONDOLL」を観に行った。

人形はけっこう好き。
シモン氏の人形のちょっと妖しく怖い感じが好き。

展示では氏の初期の作品からほぼ年代別に並べられた構成。
そして親交があり影響を受けた人たちとのエピソードも紹介されていた。

澁澤龍彦、金子國義、唐十郎…
きっと熱い時代を過ごしたのだろう。

シモン氏は15歳で人形作家になろうと決意。
以来ずっと人形とともに生きてきたのだという。

状況劇場で女形を演じていた頃の人形は、エロティックで扇情的。
なんだかギラギラしていて若さを感じる。

宗教に傾倒していたという40代のキリストや天使の作品は、苦痛の中で救いを求めていた心情がよく現れていた。
今日観た中では、この箱に入った天使の作品が最も印象的だった。

そして最後に飾られていた最新作という少女の人形は、とても美しく穏やかな表情。
瑞々しい薔薇色の頬をしていて、なんだかほっとした気持ちになり会場を後にした。

a0110898_22252756.jpg

写真は、唯一撮影を許されていた、氏のアトリエを再現したという一角。
[PR]
by cactusflower | 2014-06-08 22:33 | 展覧会
a0110898_2358283.jpg


このところ実家の用事で忙殺されているが、今日はふと予定がキャンセルになったので、東京都美術館にバルテュス展を観に行った。

子供から大人への変わり目にいる少女たちを好んで描いたバルテュス。
今どきの社会倫理に照らし合わせると問題視する向きもあるのではないかと思うが、絵画として私はけして嫌いではない。
個人的には、嵐が丘の挿絵が良かった。

同時代のピカソと同様に、女性に対して衰えることのないエネルギーを注いだ人だったらしい。
そして最期の時まで、最も長く添い遂げたのが、日本人の節子夫人だという。

そういえば、20年以上前、スイスのシャレーでの夫人の優雅な暮らしぶりが、女性誌で良く取り上げられていたことを思い出した。

展示の最後は大量の関連グッズと節子夫人の著書の販売。
只者ではない方とお見受けした。
[PR]
by cactusflower | 2014-05-19 00:00 | 展覧会
近代美術館に、フランシス・ベーコンを見に行った。
近美の企画展は週末とても混んでいる。
だから遅くまで開いている金曜日はチャンス、と思ったのだが、皆考えることは同じらしい。
結構混んでいた。

ベーコンの作品を見るのはおそらく初めて。
新聞や雑誌で紹介されているのを見た時は「気持ち悪い絵だな」と思っていたのだが、会場で本物を見たら、

美しい。。。

結構好きかもしれない。

めずらしく音声ガイドを借りてみた。
最初の方にある『叫ぶ教皇の頭部のための習作』のあたりで、ガイドから「私が描きたいのは恐怖ではなく叫びそのもの」とかいうベーコンの言葉が聞こえてきて、おお〜、と思う。

閉館まで結構時間の余裕があったので、2周3周してみた。
今度は周りの人が気になってきた。
平日だから、スーツを着たビジネスマン風が多い。
普通の展覧会に比べて男性が多い気がした。

カップルはあまりいなかったが、それでもちらほらと。
ところで美術展でみかけるカップルって、たいてい男の方が女にあれこれと説明している。
特に欧米系の人々に多いような。
なにをこんなにと思うくらい、しゃべり続ける男。

こういう展示にふたりで来て、いったいどういう解説をしているのか?

ウッディ・アレンの映画みたいだな。
アニー・ホールにそんな場面があったかも。
[PR]
by cactusflower | 2013-05-18 01:51 | 展覧会
ブリヂストン美術館に、「Paris、パリ、巴里 ─ 日本人が描く 1900–1945」を観に行った。

20世紀前半にパリに留学って、今とは比べ物にならないくらい大変ことだったんだろう。
フランスの師匠たちの画風にもろに影響されていることは、まあ、いたしかたないことか。
そんな中で、藤田嗣治はオリジナルなものを生み出していて、すごいと思った。

しかし私が好きなのは、佐伯祐三。
というか、佐伯祐三の師匠のモーリス・ド・ブラマンクが好きなのだ。
高校生の頃、美術の時間に油絵をやっていて、彼の絵を模写したっけ。
私の色彩感覚の原点は、ここにあるのだと思う。


夜は久しぶりに上京したという、大学時代の先輩と飲む。会うのは30年ぶりだ。
先日の元上司に続いて久しぶりのお誘いが多い。多分そういうお年頃なんだろう。

先輩の下宿先の仲間だったという初対面の人も同席。
30年もたつと、思い出話と言っても、もうおぼろげでしかない。
だから、当時の知り合いだろうが初対面だろうが、同じ世代というくくりだけで結構話が弾んで面白かった。

会える時に会っておかないとね~
次に30年後っていったら、お焼香になっちゃうよ。

って、まったく冗談ではなくそんな歳になってしまった。

でも、こんな風に語らえるようになった今の自分も、結構好きだ。
[PR]
by cactusflower | 2013-05-05 18:18 | 展覧会
ギャラリー「ときの忘れもの」に、井桁裕子さんの作品を見に行った。
ときの忘れもののブログに井桁さんのエッセイが時折り寄せられていて、それを読んですっかりファンになってしまったので、今回の展示をとても心待ちにしていた。

井桁さんは球体関節人形の作家と紹介されていたので、会場には人形が展示されているものと思っていたが、そこにあったのは桐塑の大きな立体作品。

ご本人によると、単なる人形ではなくもっと自分の表現を加えた作品づくりに変化してきているということ。
なるほど、今日見た作品はどれも独創的なイメージで形作られていて、人形という概念を越えて強く訴えかけるものばかり。

特に個展のタイトルにもなっている「加速する私たち」という作品はとても素晴らしかった。

私の拙い質問にも丁寧に答えてくださる井桁さんに、いたく感激した私は小さな陶土の作品を買うことにした。実はギャラリーのウェブサイトで目星をつけていたのだが、実物は思った通りに素敵だったので迷わず購入。

これまで写真のプリントは買ったことがあるけれど、立体作品を買うのは初めてのこと。
画廊で「これ下さい!」と言って買い物する自分なんて思ってもみなかった。

でも良い作品を手できたこと、そしてまたひとつ新しい事を経験できたことでとても満足感いっぱいで帰路についた。

井桁さんのエッセイはこちらから。
[PR]
by cactusflower | 2012-11-24 00:47 | 展覧会
週末、東京都現代美術館で「靉嘔 ふたたび虹のかなたに」を観た。
靉嘔については何も知らなかったのだが、この美術館は家の近所なので散歩がてらふらっと入ってみたのだ。

解説によると靉嘔は1960年代にはオノ・ヨーコやナム・ジュン・パイクらと前衛アートの活動をしていたらしい。
しかし、その代表作は何と言っても、引用したモチーフに赤から紫までの可視光線(スペクトル)を重ねる「虹」のシリーズだという。

入ってみると、天井の高い広い展示室にカラフルなレインボーに塗られた大型の作品が延々と続いていた。主なモチーフは、アダムとイブを思わせる男女の立像、女性の乳房を連想させるような二つの円、そして穴。
ある意味分かりやすいこれらのモチーフが、すべてカラフルな虹色に塗りこめられて、執拗なまでに繰り返されている。キャリア50年を超える作家の回顧展だから作品数が多いのは当たり前だが、それにしても、これでもかこれでもかという感じでレインボーを見せられて、かなり圧倒された。

優れたアーティストと凡人の違いは、オリジナルなものを生み出す力だけでなく、執拗に作品を作り続けていけるエネルギーがあるか無いかだな~、としみじみ思う。

翌日は銀座に行く用事があったので、BLDギャラリーに寄って細江英公の写真展を観た。
こちらも回顧展風に5回に分けて彼の代表作を展示していくらしい。今の展示は唐十郎の芝居に出ていた四谷シモンを撮った「シモン私風景」。1971年の作品だ。

細江氏も靉嘔と同じ世代だな~、と眺めていたが、彼は50年代に靉嘔と共に「デモクラート美術家協会」に参加していた画家の瑛九と出会い、大きな影響を受けたという。
何気なく続けて観た二人のアーティストの間に、実は繋がりがあったということになる。
こういうことを知った時って頭の中で何かがカチッとかみ合ったようで、なんだか嬉しくなる。

a0110898_20564563.jpg


ところで、BLDギャラリーのメインの展示室ではなく写真集などが置かれている部屋に、最近の(2002年)四谷シモンを撮ったカラー写真が数点展示されていて、私はこちらの方が気になった。
「シモン私風景」でどぎつい舞台メイクに女物の着物の前をはだけて踊るシモン氏は、はっきり言ってバケモノみたいだが、こちらの初老を迎えた氏は、なかなか渋くていい男だ。
そんなシモン氏が自分で作った人形にうっとりと頬擦りし(彼の本業は人形作家だ)、そこに昔のモノクロ写真が投影されているという、実にお耽美な世界で素敵だった。
[PR]
by cactusflower | 2012-02-15 23:31 | 展覧会