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ハーブ&ドロシーの最新作を観た

映画「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」を観た。
前作「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」にとても感激したのは2010年の事
その続編は、アートの見方、コレクターという生き方、そして人生のしまい方、などなど考えさせられることがいろいろあった。

中でも印象に残っていること。

前作では、郵便局員と図書館司書という「普通の人」がアートコレクターになった! という驚きが強かったように思う。
しかし、今回の映画を観てわかったこと。それは、ハーブはアートを見分ける優れた審美眼を持った人であったこと、そしてドロシーは優れたマネジメント能力を発揮して、それを支えてきたこと。
彼らは決して「普通の人」ではなく、とても優れたコレクターだったということだ。

この映画によると、アメリカでは地方の小さな町の美術館は、予算が十分に得られず収蔵品を増やすことにも苦労しているらしい。そんな美術館50か所に、彼らのコレクションを分散してを寄贈するというこのプロジェクトは、社会的にはとても意味のあることなのだろう。

しかし、長年交流のあったアーティストのひとり、リチャード・タトルは最後までそれに反対していたらしい。
その言葉が泣かせる。

コレクションの根底にあるのは、アートに全力を注ぐということ。彼らのコレクションは全体で一つの作品だ。それをばらばらにするのは、レンブラントの作品を50個に切り刻んでばらまくのと同じことだ。


リチャード・タトル 気になる人物だ。
by cactusflower | 2013-04-29 23:54 | 映画